そもそも、Windows Mobile向けに.NET Compact Frameworkで作っているものに関しては、
まず例外なく「自分自身が使うために必要だから」というのが開発のキッカケになっていて、
自分が必要だった機能が実装できた時点で満足してしまうというか、
一部を除けばいわゆる「一発ネタ」というか、「投げっぱなし」が多いのが現状です。
で、そういうモノを公開したときの常套句にしているのが、
「もし、うち以外に使ってる人がいるようなら追加・修正しますんで~」
というもので、なんとな~く分かるとも思いますが、これは単なる建前であって、
「うち以外に使う人がいるわけがない」というのを前提に発言していますので、
実質、あまり継続してやる事でもないかなぁ、という想像も多分に含まれています(笑 …
そんな中、少し前に公開していたキーロック画面編集ツールの「QL Reflector」なんですが、
公開した当初は、存在自体のニッチさも相まってか、特に話題を目にするような事もなく、
作った本人も存在自体をすっかり忘れそうな感じになっていました。
・・・が、いやはや大変ありがたい事に、なぜかここ最近になって、少しだけですが、
Windows Mobile関係のブログなどで紹介してもらえるような機会がポツポツ増えてきているようで、
(・・・というか、別の用件で調べ物をしていてたまたま知って驚いたんですが・・・笑)
まぁ、たまには有言実行!という事で、色々な情報を参考にしつつ、珍しく機能追加のバージョンアップをしてみました。
「QL Reflector」は、Windows Mobile 6.5標準のキーロック解除画面を、
簡易的に編集する事ができるアプリケーションです。
今回のバージョンで行える機能としては、1.00での
・ロック解除画面の壁紙を設定
・ロック解除のスライダーの位置の変更
・ロック解除のメッセージ(スライドしてください)の位置の変更
・ロック解除画面でのメールや着信通知の位置の変更
・ロック解除画面の時計の位置と背景の変更
に加えて、(以下が1.10による主な機能追加分)
・ロック解除のスライダーの左右にあるアニメーションマーカーの位置の変更
・ロック解除のスライダーのスライド方向と機能の変更
・ロック解除のメッセージ(スライドしてください)の文面とフォントやサイズの変更
・時計(時刻・AMPM・日付)の文字の配置とフォントやサイズ、配色の変更
・予定表(予定内容・時刻・場所)の文字の配置とフォントやサイズ、配色の変更
・予定表の左に出る白いアイコンを消す機能
・そもそも予定表自体を表示させない機能
・設定を適用せずに外部ファイルに保存したり、現在のcprファイルを抽出したりできるエクスポート機能
・エクスポートしたファイルの設定を取り込んだり、自作のcprファイルなどを直接適用できるインポート機能
などとなっております。
余計な機能をてんこもりにした影響で、おそらくバグもてんこもりになってる可能性が高いですが(笑
その分、根気さえあれば、以前に比べてわりと自由な感じで作れるようにはなったんじゃないかと思います。
まぁ、というわけで、今回のバージョンで適当にポチポチ作ってみたキーロック画面の一例でも。
●よりiPh○neっぽくしてみる(sample1)
個人的には、過剰に「隣の芝が~」みたいな感じになるのもどうかとは思うのですが、
まぁそれを言っちゃあ、Windows Mobile 6.5のキーロック画面も、なんだかんだで三番煎じくらいですしねぇ(笑
ただ、こういう系で拘る人は、わざわざこんな事せず、素直にS2U2でも使った方がいいですよね。
●よりシンプルにしてみる(sample2)
必要のないものをいろいろ消したり、画面外にすっ飛ばしたりできるようになりましたので、
「ゴチャゴチャせずに時間さえ分かればいい」みたいな場合はバッサリと時計だけにするのもいいかも。
シンプルさという話なら、WILLCOM UIとのデザイン的な相性もよくできるかもしれませんし(笑
●より大きくしてみる(sample3)
手元のパッと見で時間が分かるくらいまで時計のサイズを大きくしてみたらどうだろう、と。
ネタのつもりでしたが、意外と枕元とかでメガネかけてなくても時間が分かるのはいいかもしれない。
ちなみに、フォントの変更は、Windowsフォルダにフォントをコピーして、そのフォント名を指定するだけです。
●より変態的にしてみる(sample4)
既存の素材を排除するのではなく、逆に利用してやろうというコンセプトで頑張ってみると、
あーいや、まぁ、なんといいますか・・・頑張る方向性を間違えるとこういう風にもできます(笑
公衆でスタンバイ復帰させるのになかなか勇気が要りそうです。
まぁ、ふと思いついて3分くらいで作ったものなのですが、枠とかの細部に拘ればもっと「らしく」できそうですね。
で、今回からインポート機能で取り込めますので、一応参考用に上記の4つもZIPでまとめてみました。
「(HYBRID W-ZERO3用) QL Reflector インポート用サンプルファイル」のダウンロード
もちろん、設定ファイルのみですので、背景画像やフォントは各自で用意してくださいね。
それから、これらのサンプルは全てHYBRID W-ZERO3専用です。他機種の方はそのまま適用しないでください。
解像度の低い端末で適用すると、画面サイズの関係で、最悪の場合ロック解除できなくなるかもしれません。
あ、横画面用の設定ファイルは、横画面にして起動するか、縦横反転してからインポートしてください。
まぁ、そんなこんなで、「QL Reflector」だけでも何とかこの程度まではいじれるようになってきました。
設定時に毎回再起動が必要になるので、あとは単純に根気とやる気がどこまで続くか、ですね。
やっぱり、誰かが作ったものではなく、「自分だけのもの」が比較的自由に作れるというのは、
本来のWindows Mobile的な意味でも、なかなか魅力的なのではないかと思います。
てか、正直なところ、こういう小ネタで、何とかこの端末であと1年近くは引っ張っていかないとな~、と。
いろいろ不満も少なくない端末ですが、もう少し頑張っていきましょう(笑
あとは、少しでもトラブル時の参考に、というわけで、思いつく限り「QL Reflector」のFAQでも。
●Windows Mobile 6.5ならどんな機種でも動くの?
正直、全く分かりません(笑
当方が所有しているのが、Windows Mobile 6.5なウィルコムのHYBRID W-ZERO3しかなく、
この機種とデバイスエミュレータ上で動いているので、割と汎用的に動くような気はしているのですが、
その他のWindows Mobile 6.5の機種や、Windows Mobile 6.5.3の機種などで動くかどうかは、
こちらでは一切確認しておりませんので、自己責任で試用してみるしかありません。
ちなみに、HYBRID W-ZERO3以外で、割と情報がありそうなものとしては、東芝製の
T-01A
T-01B
IS02
X02T
なんかは、解像度も近く、Windows Mobile端末の割にはユーザーも比較的多いという事情もあってか、
適当に検索してみると、ありがたい事にこれらの機種で旧バージョンを利用していた方もいるみたいですので、
そういう情報を参考にしながら試してみるのもいいかもしれません。
ただ、それを以って当方やその情報元で動作保証機種としているわけではない点については十分にご注意ください。
●位置を移動させたいけど、設定値が画面の座標とも異なっていて意味がよく分からないんだけど?
少し詳しい方は、設定が書かれているcprファイル(XML)をテキストエディタで覗くと一目瞭然なのですが、
各オブジェクトは、おおまかな機能ごとにレイヤーとしてまとめて管理されていまして、
例えば、ロック解除スライダーの横にあるアニメーションマーカーは、
「ロック解除スライダー」のレイヤー内に収められていて、スライダーを移動するとマーカーも連動して移動します。
つまり、アニメーションマーカーの設定値とは、この「レイヤー内での位置」であり、
画面の絶対座標とは異なる値になっているという点については注意が必要です。
同じように、「時計と予定表」なんかもひとつの大きなレイヤー内に配置されていたりします。
この辺は、なるべく実際の設定画面でも「~レイヤー内での位置」みたいな表記をするようにしています。
まぁ、小難しい話になっていますが、ぶっちゃけ意味が分からなくても、画面左上が座標(0,0)で、
「縦位置を増やすと下に移動、横位置を増やすと右に移動」という基本はどれも同じですので、
少しずつ増減させながら試してみる事で、ある程度理想の配置にはできるんじゃないかと思います。
●タスクバーの透過になっている部分の背景が、それ以外の部分と一致しないんだけど?
これについては、実際の画面の解像度と違う大きさの画像を背景に適用したときに起こる場合があります。
通常の表示領域の部分は、設定した大きさに基づいて拡大縮小されるのですが、
タスクバーの裏に当たる部分は、これが適用されず、常に実サイズでの表示になるようです。
完全な対策というわけではないのですが、背景に適用したい画像を、あらかじめPCなどで画面解像度と同じサイズ
(HYBRID W-ZERO3なら480×854、WVGA端末なら480×800など)にリサイズしてから適用するといけるかもしれません。
●このソフト使ったら見たこともない変なロック画面になった!! 何この使えねー糞アプリ!
おそらくWindows Mobile 6.5のロック解除画面から6.0のクラシックな画面になったんじゃないかと思われます。
基本的に、このソフトはWindows Mobileの“標準”のキーロック解除画面を編集するものでして、
編集できるファイルも、デフォルトのROMファイルかQL Reflector自身で編集したファイルを想定しています。
この為、ネットなどで出回っている魔改造されたロック解除画面などを適用した状態でQL Reflectorを使うと、
想定されていないXMLの構文になり、システムが理解できないファイルになってしまう可能性もあります。
場合によっては、この時にXMLの構文エラーで強制的にクラシックなロック解除画面になってしまう事もあるようです。
(もちろん、ソフトの不具合でこうなる可能性もありますので、糞アプリである事は否定しませんが・・・笑)
既に編集済みのロック解除画面をQL Reflectorで再度上書き編集する事自体は特に制限していませんが、
それがQL Reflectorで編集されたものではない場合は、十分に注意してください。
また、クラシックなロック解除画面になってしまった場合でも、「ファイル」タブから該当のファイルを削除する事で、
簡単にROMファイル(購入時のWindows Mobile 6.5標準のロック解除画面)に戻す事ができるかと思います。
とにかく、全般的に何かしらの意図しない結果になる場合は、編集済みファイルの上書き編集時が多いので、
一度削除して一からやり直してみるとすんなり改善する事もあるかもしれません。
●いろいろ設定してたら、ロック解除できなくなった!!もしかして、これってやっちまった系?
QL Reflectorは、内部的には単に設定ファイルのXMLのプロパティ(属性)の値を変更しているだけなのですが、
ようは単なるテキストで記述されているものなので、記述できる値自体に制限があるわけでもなく、
QL Reflectorとしても、設定できる値自体には幅を持たせてあるため、
変な話、画面外のスタイラスで触れないとんでもない場所にスライダーを移動させたり、
スライダーを押しても引いても全くロック解除できない開かずのスライダーにしたり、
・・・なんて事も設定上は可能かと思われます。
実際の端末でそうなってしまった場合、最悪、ガチでロック解除できない状態になってしまい、
泣く泣く端末を初期化するしかなくなってしまった・・・なんて事態も考えられますので、
設定は、現実的な範囲で、余裕のある場所に行うようにしてください。
ちなみに、キーロック状態のままソフトウェアリセットやハードウェアリセットを行っても、
電源入れなおして起動するとロック状態は維持されたままですし、
キーロック状態のままPCから端末の誤った状態の設定ファイルを削除する事ができるかどうかも分かりません。
一応留意して実装していますが、ソフトの不具合でそうなる可能性もゼロではありませんし、
縦画面用と横画面用を間違えてインポートするだけでも状況的には非常に危険ですので、
QL Reflectorのご使用前に一度端末のフルバックアップを取っていただくとより安心です。
しっかし、あのCMは絵はいいのに声酷いな・・・(笑
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